日本の高校教師が教育について自論を語ってます。

高校教師の考えた教育論

現役の高校教師があーでもない、こうでもないと教育について愚論を展開しています。

大学卒業厳格化

  大学が卒業の認定を厳格化してくれれば、大学合格の価値は相対的に落ちると思われます。むしろ、たくさん入学させたのに卒業できない学生が多い高校などがクローズアップされ、伸びしろのない教育をしたのではないかという評価さえ下されるでしょう。もちろん今もあります。特定のどこどこ高校出身の学生は大学で勉強しない率が高いという話はたくさんあります。 

  もう、合格、入学することを重視する大学教育を軽視したシステムを脱しましょう。合格したら終わり、後は遊んで卒業したら、大企業にまとめて入社というシステムではやっていけていません。だから、日本の大学の世界における評価も低いのだと思います。
 難関大学というのは「卒業が難関大学」であるという風になってくれれば、高校側も今のように入学さえできればという受験教育から抜け出せます。高校生もその保護者も学力的に考えて卒業不可の大学に入ろうとはしません。あわよくばということを企んでも実際に卒業できない学生が続出すれば、そうですね、3年もすれば、卒業見込みの立つ大学で学ぶようになるでしょう。もし、入学時点で学力が低くてもどうしても入りたくてその大学に入ったとしたら、死ぬ気で勉強して卒業しようとするでしょう。
 今でも東京理科大学のように、入学後に勉強しないと留年する率が高い大学は高校の先生方の間でも企業の間でも評価は高いです。高校の先生もちゃんと勉強したいのならば東京理科大学はおススメと指導します。もし、大学で遊びたいなら行かない方がいいと言います。そして、東京理科大学の場合は卒業後に東大や京大の大学院に進学して研究を継続する者が多いとも聞きます。
 大学の先生方も授業を聴かない学生を容赦なく落第させることができ、真面目な学生と共に遣り甲斐のある授業ができると思います。大学経営としても、留年すると授業料をアップするなどのシステムにすれば損はないと思います。
 さらに卒業が厳しくなると、付属校から入学した学生も指定校推薦で入学した学生もスポーツ推薦で入学した学生も胸を張って卒業できます。よく卒業できたねとそこが評価の軸になれば、入学時点での評価は低くてもいいわけです。大学生になって自制し自覚して学習したという成熟した人間という高評価が受けられます。
 ぜひ、小手先の大学入試改革ではなく、大学卒業改革を実施していただきたいと切に思います。