日本の高校教師が教育について自論を語ってます。

高校教師の考えた教育論

現役の高校教師があーでもない、こうでもないと教育について愚論を展開しています。

電話確認

 「もしもし、元気か?ちゃんと課題やってるか?進んでるか?そうか、エライやん。そうやって、計画的にやんねんで。たまには身体も動かして。近くの公園行くぐらいは、体育として認めるから(笑)。カラオケは音楽やけど禁止な(笑)。ホンマに勉強しとかんと、模試で結果として出てくるで。そう、英語な、うん、うん、そやな、今のうちやん。ほんで、家族みんな、大丈夫か?さっき電話に出たのは妹か?しっかりしてるやん。お兄ちゃんも、しっかりやって見本にならんと!えっ、なってる?ホンマか(爆笑)まあ、ほんなら、気をつけて、また、電話するから、今日またするかも(笑)。じゃあな、お母さんにもよろしく、あっ、はい、失礼します。」ガチャン。「土橋先生、今のは誰です?当てましょうか?〇〇?やっぱり、何かわかるわぁ。」「いやな、アイツとこな…」

 全国の職員室で、先週からこんな電話と会話が飛び交っていることでしょう。一斉休校のもたらした産物です。私はこの際なので、こうした電話インタビューを楽しもうと思っています。なかなか面と向かって言えない聞けないことを話し合えたりします。

 このコツは夜間定時制高校に勤務している時に体得しました。定時制では昼間の学校よりも、不登校率が高いので、時数不足に陥りそうな生徒に電話するのは当たり前でした。ベテランの先生方が、躊躇なく、「あっ、オレ、何しとん?おいでや!アカンで、うん、いや、忙しいのはわかるけど、心配しとんねん。な、な、遅刻しても、ええから、顔出しや、な、な、わかった?ほな、待ってるで。」と、ジャンジャン電話しているのを見て、今まで生徒に電話するイコール緊急事態という観念が薄れました。

 そのお陰で、何かあったら電話、なくても電話という感覚になりました。それに電話は呼び出して面談より気楽ですし、何ならすぐに親とも話せます。

 しばらくきっかけが無く、生徒宅に電話する感覚から遠ざかっていたのですが、一斉休校のせいで、また電話するハードルが下がりました。可哀想に今の生徒たちはこれから滅多に鳴らない家の電話が鳴る度に「土橋や」と急いで出る習慣が付くでしょう。「10回鳴らす前にとらなかったら、親の携帯にかけるで」と宣言してるからですが、みんな、「セーフ」とか言って楽しんでくれています。

 早くコロナが終息して、生徒の顔が見たいですが、まあ、休校は休校で、こちらも勉強する、読書する、先生方と雑談するという普段十分取れない時間を取れてますから、マイナスばかりではないと思ってます。