日本の高校教師が教育について自論を語ってます。

高校教師の考えた教育論

現役の高校教師があーでもない、こうでもないと教育について愚論を展開しています。

真夏の大会?

 オリンピックのマラソン競技が暑さのために東京から札幌に会場が移転したことは記憶に新しいと思います。

 それならば、毎年過酷な条件で実施されている大会の日程や場所についても再考されるべきだと考えます。その大会とは、全国高校総体、つまりインターハイです。

 夏の甲子園高校野球も暑さを考慮して新たなルール作りをしています。インハイも考える時期ではないでしょうか。

 確かに夕方から開会式をしたり、熱中症対策のブースを特設したりと対策は取っています。しかし、それにしても試合をする時間帯は真夏の炎天下です。

 私も監督していて、一番気を使うのが暑さ対策でした。それも含めて準備だ練習だと言われればそれまでですが、突然襲ってくる熱中症に対して、取れる手立ては限られています。なにせ生徒たちはインハイに出るために必死に練習してきてますから、ギリギリまで我慢して試合に出ようとします。以前、相手選手が試合の途中でめまいがして、試合を中断、タイムの後、再開しましたが、やはりまたふらついてしまい、結局途中棄権となった試合がありました。我々の方は勝ったと言えば勝ったのですが、何とも言えない後味の悪さでした。後で話しを聞くと、「こちら(その時は佐賀県)がこんなに暑いとは、暑さに慣れて無かったんで」というような話しでした。北の方からいきなり九州へ来て、さあ、試合、そこで存分に力を発揮してというのは過酷なことだったと思われます。

 おそらくこんなケースは山ほどあると思います。まさに競技人生や命までかけて、インターハイに臨んでいると言っても過言ではないと思います。

 そこで、問題提起なのですが、そもそも、7月末とか8月上旬とかに全競技一斉にやる必要性はありますか?また、毎年、各県、最近は各地域ですが、持ち回りで場所を変えて実施する必然性はありますか?ということです。

 まず時期ですが、各競技によって選べば良いと私は思います。夏のインハイが、夏休み中だから、授業に支障が生じないということはわかりますが、今は日曜日と月曜日が合体した連休が年に何回もあります。土曜日を入れたら、三連休です。例えば、今年であれば、9月に4連休があります。そういう日程を選んで大会を組めばどうでしょうか。それでも終わらないのであれば、次の週末に勝ち残った学校は再度集まればよいと思います。または都道府県の予選でも公欠ということで大会参加を認めているぐらいなのですから、平日に全国大会実施も可能だと思います。

 さらにそういう融通を効かせるためにも、開催地の固定化を私は提案します。「夏の甲子園」のように、「夏の何々」を各競技で作るのです。先程は夏開催は熱中症で厳しいと批判的に書きましたが、もし、高地で涼しい場所であればオーケーでしょう。テニスなら、「夏の軽井沢」とかは可能ではないでしょうか。

 施設設備、宿泊、交通などあらゆる面を考慮して、各競技でここで!と決めてしまえば、毎年場所が変わることでかかる予算を一極集中させて、その競技の聖地をグレードアップすることも出来ます。すでに春の選抜大会については、そのようになっていて、各競技で時期も場所も違います。決まっているから、参加する方も計画が立てやすく、予算が組みやすい、安心して大会に集中できると思います。

 ぜひ、各県、各地域で誘致合戦をして頂き、より良い場所でより良い環境で高校生たちにスポーツを楽しんでほしいと思います。

 ちなみに、裏方の役員さんたちについても、持ち回りの形は辞めて、全国選抜で請け負って頂けたらと思います。あるいは各競技団体でマネジメントのプロを雇うのも良いのではないでしょうか。固定化することで、独自のイベントに発展させることは可能です。応援に来る人たちを退屈させないようなイベントやご当地グルメも出て来ると思います。

 今の形の、これがインターハイなんだという固定観念に縛られずに、健康、安全を契機にして、みんなで声を上げて、見直しをしてみたらどうでしょうか。