日本の高校教師が教育について自論を語ってます。

高校教師の考えた教育論

現役の高校教師があーでもない、こうでもないと教育について愚論を展開しています。

6.6制の12年

 高校無償化が推進されるならば、いっそのこと全国の中学と高校をすべて6年一貫の中高一貫校にリニューアルすれば良いと思います。

 そうすることで各家庭からより近い場所で安心して小学校6年プラス中高6年の12年間を過ごすことができます。

 子供の数が減り、中学としては教室が余る学校も、高校までとなると倍になる計算ですから、廃校にならないで済みます。同じことは廃校寸前の高校にも言えます。

 そこにもう私立公立の区別や市立県立の区別も不必要かと思います。地元に住む先生たちで運営すれば良いと思います。中高の管轄を地元の市町村で行い、予算自体は国という形でいいのではないでしょうか。

 メリットはたくさんあります。まず、安心安全、それと高校入試という無駄が無くなります。地元の中学に通うが如くそのまま高校に続けて全員行くだけです。どうしても、お金と時間をかけて純正の私立中高に通いたいという人はそうしてもらえばいいと思います。ただし、全費用を家庭で負担してもらいます。国からの支援は一切入らない学校にしてもらうということです。まあ、平たくいうと塾です。

 学年の呼称も789101112という風に変えて、中学で1年、高校でまた1年とかに戻らないようにします。いちいち今のように1に戻ると、意識まで1年に戻ってしまい、積み上げてきた経験が無になり、教える側は無駄に手をかけ、教えられる方も1からだと甘えて成長しないというデメリットがあります。

 6年ありますから、授業は習熟度別を基本にして、クリアしたら難しいことを習うという形にします。12歳から18歳が混在する授業です。得意科目はグレード12の授業だけれど、不得意科目はグレード7とかいうことです。1年を前期後期に分けて年2回のテストと担当教員の判定でグレードを変えていきます。

 ホームルームは地区別で組みます。6年間変わらなくていいと思います。朝と帰りに集まって連絡事項をします。7年の面倒は12年がみるとしていけば、先生はあまり手を出すことも無いのではないでしょうか。小学校から一緒という人がほとんどでしょうから、誰に手が掛かるのかは生徒たちがわかっているはずです。

 放課後のクラブ活動も活性化されるでしょう。12年生は先輩として振る舞わざる得ませんよね。ずっと一緒に成長していく形になりますから。全国中等教育学校大会にして、今、別々にやっている大会を一本化したら、選手不足の学校も無くなります。12歳のすごい選手が出て18歳に負けじと活躍するかもしれません。

 先生も基本的には地元で転勤無しにします。同じ学校で6年の成長を見守ります。固定することで、先生という職業を選択する人は増えると思います。歩いて通える職場ですから、家事や介護と並行して働きやすいと思います。

 そして何より大きなメリットは、生徒同士の距離が縮まることです。リアルな人間的な繋がりをもっと楽しんでほしいのです。昔は煩わしい面だけがクローズアップされていましたが、現代では反対に地元の繋がりを大切にしたい若者も増えています。

 かつては地元にいるしかなかったから重苦しい面ばかり強調されましたが、今は残るか出るかは選択可能です。しかし、選択肢があっても地元との繋がりそのものが希薄で、選択肢にさえなっていないというのが現状ではないでしょうか。よく知る仲間がいる地元か、それとも誰も知らない都会かのはっきりとした差異のある選択肢が形成され、その中で地元を選択する若者がこの遠隔で何でもできるようになってきたICTの時代には増加すると思います。 

 過疎、地域活性化、学校統廃合という課題に対する対策として有効だと思います。